外国人労働者の雇用を考えている経営者の方へ③

大変お待たせいたしました。外国人雇用に関しての第3回目になります。今回は、より具体的な働き方から見ていきたいと思います。

1)調理人(コック)として働く場合

調理人として外国人が就労する場合には「技能」というビザが必要となります。
ただし、調理人といっても「その国特有の味についての特殊な技能を持っている」必要があります。よってこの資格では日本料理のコックに外国人はなれません。


具体的には、
 ・料理の調理または食品の製造に係る技能で
 ・外国において考案され、日本において特殊なものについて
 ・10年以上の実務経験(外国の教育機関でその料理の調理、
  食品の製造にかかる科目を専攻した期間を含む)を有する者

(但し2007年11月1日以降はタイ料理の場合は5年以上の実務経験に軽減されています~日タイ経済連携協定EPA~
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/thailand/pdfs/gaiyo.pdf

1)タイ料理人として5年以上の実務経験を有すること。
2)タイ労働省発行の初級以上のタイ料理人としての技術水準に関する
  証明書を取得していること。
3)過去1年間に、タイ国内でタイ料理人として妥当な額の報酬を
  受けていたこと。
  (妥当な額とはタイ国内の全産業の平均賃金を超える額。) 

・実際に働く時にもその技能を要する業務に従事することが必要です。
    

その国特有の専門的な料理である必要があるため、単にラーメンと餃子だけとか、ファミリーレストラン等は認められていません。

2)興行(こうぎょう)で働く場合

興行とは、法律上のたてまえは演劇、演芸、演奏、スポーツ等の興行にかかる活動。 または、その他の芸能活動とされており、これらの技芸等を、見物人を集め、見せ物を催すことをいいます。

キャバレー、バー、クラブ等に出演する歌手や踊り手などが該当します。
この在留資格は客を接待する行為は含まれないのですが、悪質な風俗店に悪用されてきたという背景があるため、審査も厳しく、芸能活動をする本人、招聘会社、出演先などについて細かく検討されます。また月額二十万円以上の報酬を払う等、格安賃金で就労がなされることを防止する措置がなされています。(また国によっては興行ビザでは下りない場合があるので注意が必要です)

3)資格外活動で働く場合

たとえば「留学」は本来非就労ビザなので「留学」ビザで働くことはできませんが、資格外活動の許可を取得すれば、一定の期間アルバイトをすることが可能となります。
また、外国人が「人文知識・国際業務」や「技術」などの資格で日本企業に勤めている場合、その外国人および家族(家族滞在)などが報酬をえて通訳などのアルバイトをする場合も資格外活動許可が必要となります。

 
飲食店の場合は、「留学生」多いので、次回は留学生について見て行きます。 

 

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